料理をカンタン美味しくしたい!醤油屋の4代目夫婦が挑戦する「糀の新商品」|「谷川醸造」貴昭さん&千穂さん【輪島市】

石川県輪島市で「谷川醸造」を経営されている谷川ご夫妻。
転換期を経て、地元で愛されているサクラ印のサクラ醤油やサクラ味噌など、様々な糀商品を作り続けています。

酒造りから醤油味噌作りへ

創業時は主に日本酒を造っていた谷川醸造ですが、15年ほど前、本格的に醤油味噌メーカーとして舵を切りました。昔は酒の消費量は多かったものの、昭和に入る頃には酒の売上が年々減ってきたため、余儀なく生産量を減らしていくことに。貴昭さんが地元に戻ってきた頃には厳しくなってきており、その後日本酒をやめて、醤油や味噌を作る会社になったそうです。

「新しい商品を作り始めたのですが、すべてを白紙にして、一から作り始めるのではなく、私たちの持っている財産である資材なども含めて、残ったものを使っていくことにしました。地元の農産物を使って、新しい形で発信できるものを考えていきたいと思い、 現在は地元で愛されている甘口醤油をメインに、糀を使った調味料も販売しています」

■ 糀の魅力を知ってもらうために

実は料理が苦手だという千穂さん。そんな自分でも簡単で使いやすい、すぐに美味しく食べられる、パッケージが可愛くて飽きずに使い切れる量の調味料など、千穂さんが欲しいもの、買いたいと思うものを開発して販売しています。使い方がわかりやすいようにと、アレンジレシピもウェブサイトで発信しています。

千穂さんが子育てを始めた頃は「糀を未来の食卓へ届けたい」という思いから商品づくりを始めたそうですが、お子さんの成長と共にご自身の考えも変わったとか。
「子どもが成長してくると、親である私も糀を楽しみたいと考えるようになってきたんです」

能登の発酵文化を広げていこうと色々考え、気づいた点が、醤油は自分たちの生活にあまりにも身近なので当たり前のことだったけれど、実は作り方を知らない方が多いということ。
「醤油の作り方を口で説明してもなかなか理解してもらうことは難しいので、ワークショップを開いたり、どのように作られているのか実際に見学をしてもらったりしています」
小さなお子さんにもわかりやすいようにと、可愛らしい醤油の絵本も作りました。

■ 谷川醸造さんにお話しを伺って

「子育てしながら美味しいものを食べさせたい。そして自分が楽しく料理をしたい」。
絶えず笑顔で話される谷川ご夫妻。
おふたりのお話を聞いていると、醤油や味噌をはじめとした糀文化がもっと広がってほしいという、強くて優しい想いが伝わってきます。

事務所の一角に作られたスペースには谷川醸造の商品がずらりと並んでいます。
醤油だけでも、能登ではお刺身には欠かせないという人が多い甘口醤油の他、こいくちや米飴醤油、能登の魚醤いしるなど多くの種類が。
糀商品も塩糀や甘酒はもちろん、ディップソースやおかずみそ、ドレッシングなど色々と試してみたくなりました。

店舗情報

名称谷川醸造株式会社
住所石川県輪島市釜屋谷町2-1-1
TEL0768-22-0501
URLhttps://tanigawa-jozo.com/

能登の醸しびと